2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』5続

「おはよぅーっす……」 我ながら完璧にヤル気の無い声だが、仕方ない。今日はまた花粉が一段と厳しいんだから。 この前のヒノカが襲撃事件以来、校舎に入ったらマスクと保護メガネを外すようにしたけれど、 それでも既に目が痒い鼻がうずいと今日はかなり重症…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』5

いつもと同じバス停で、いつもと同じ路線に乗っていつも通りにICパスをかざして乗り込む。 いつもと違う時間ではあるけれど、いつもと同じ席から見えるのはいつもと同じ風景。 そう、見上げれば今日も空は黄色い淀みに日光を散らされている。 僕が産まれる前…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』4

教室のドアを元気よく開ける。 あぁ、心にこれほどの晴れやかなる境地があったなんて!! 「ぐっもーにんえぶりばーでぃ!」 「あぁおはよう。今日は朝から随分とご機嫌じゃないか」 「当たり前だよヒノカ!今日のこの良い天気でご機嫌にならない訳が無いで…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』3続

「……ん?」 おっかしーなー僕何か彼女を怒らせるような事をしただろうかと言うかそもそも 怒ってるからと最速でタマを殺りに来るようなアグレッシブな性格じゃ無かったんだけどそう言えばまだ僕生きてますよ。 ふと意識が外界に戻ると、ガチで拳を振りかぶっ…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』3

坂道を一歩ずつ学校へと向かう。 いつもならば憂鬱、と言うかそれどころですらない必死な登校の一コマだけど今日の僕は一味違った。 坂道を登り切ると目の前には我が母校。相変わらず人の気配は殆ど無い。まぁ、自由登校期間だから当然なのだけど。 そんな事…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』2

三月。 朝晩は流石にまだ寒いけど、昼間のそれも良く晴れた日の日向ともなれば中々に快適だ。 特に今日は風が殆ど吹いていないから、久々にやってきた屋上もくつろぐには悪くない。 「そろそろ本格的に春だぇっしょい!!」 空気を読まないくしゃみが人のセ…

『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』

冬とは絶望である。 その寒さは人々が講じるあらゆる手をすり抜け、万人を区別無く蹂躙し犯しつくして屈服させていく。 そうして服従させられた人々に為す術はなく、ただ背中を丸めて何処までも寂しく耐えるだけなのだ。 しかし世に不変無く、冬もまたしかり…

新感覚花粉小説

……瞬発力だけで発想して展開させたあげくに整理してしまう思考癖をどうにかしたい今日この頃です。 タイトルまで用意しちゃっても、中身が無いと言う根本的な問題をどうしようもなく。 またこの癖がたまに真っ当なプロットに仕上がる事も有るので質が悪いと…

花粉の季節

気がついたらもう三月と言うか二週間経過してたと言いますか。 何故か梳野主観ではまだ二月の最中の筈なのですがいったい何がどうなってるのやら? ともあれ、次第に気温が暖かくなってきて体が楽になってきました。 花粉症の時期を超えたら少しは活動出来る…