『ヒノキスギノキ時々ヤルキ』5続

「おはよぅーっす……」
我ながら完璧にヤル気の無い声だが、仕方ない。今日はまた花粉が一段と厳しいんだから。
この前のヒノカが襲撃事件以来、校舎に入ったらマスクと保護メガネを外すようにしたけれど、
それでも既に目が痒い鼻がうずいと今日はかなり重症だ。
「よぅ、おはようさん」
「おや、今日はもう来ないのかとばかり」
そう言うヒノカの手にはサンドイッチが。あれ、サンドウィッチ、だっけ?
まぁようするに、既に時刻はお昼時。それもちょっと遅いくらいだ。
「まぁちょっと、ね」
特に大した理由が有るわけではないけど、勿体付けてみる。
だけどもヒノカは「そうかそうか」と何やら必要以上に納得した様子をしてた。
多分何もかもお見通されてるんだろうなぁ。
イチヨシは――
「またヤキソバパンの具を整列させてる…………」
イチヨシが奇妙珍妙なのはよく分かっているけれど、いったいヤキソバパンに挟まれた茶色くて細丸い炭水化物の
いったい何が君に其処まで整然とした配置と光景を求めさせると言うんだい。
「購買でパンを買ってきたかと思えば、唐突に『今日こそ俺はやりとげてみせるよ!?』などと言い出してな。
 こう言うときの男子はどうしようも無い程に何を考えているのか理解出来ないね。
 脳に、女子が持ってない妙な部位が発達しているんだろうか?」
「そんな謎機関が発達しているのはイチヨシだけだと思うな…………
 逆に言うと、イチヨシの脳に謎部位が発達している可能性を否定できない僕が居るわけだけど」
「それもそうか。何せイチヨシだも――へちゅん」


――ん?


「イチヨシだものな。全てその一言で片が付きそうなのがへちゅんっ!」
…………ヒノカって姉御系キャラの割にくしゃみは可愛いんだね?
いやそうじゃなくて。
「何だ急に……ぅ、何やら目元がムズムズして――まさか?」
そう言っている間にもみるみる涙目になっていくヒノカ。ううむ、実に新鮮かつ可愛らしいなぁ。
普段が格好良い人だから尚さr――いやそうじゃなくて。
「……どうやら間違いなさそうだね。ようこそヒノカ。僕の世界へ」
「むぅ……何と言う事だ。健康かつ健全な私でも花粉症に罹るものなのだな」


こうしてまた一人、この国に呪われた人が産まれちゃいましたよジーザス。


――――――此処から日記――――――


と言うわけで体調崩したり風邪ひいたり仕事が大変だったりで丸二週間空きと相成りました。
一番気軽(と言うか手癖と言うか)な花粉小説ですらこれですから、他の作品も勿論進んでません。
と言うか、ヘルザ村とかもうちょっとと言うところで停まりぱなしですし……
あぁ、もっとしっかりせねば。と今まで何回言ってきた事でしょうか。


何かもうちょっと強い動機が有れば良いのですが……さて。