まだまだ書いてる

バイトが物凄く忙しかったので、かなり眠いのですが。

勢いが出てる内はそれに乗っておきたいのでー





── 1stRide:A ray ──



『絶望で塗りつぶされた夜空を一筋の希望が切り裂いていく。

 それは見つめるにはあまりに眩しく、しかし目を逸らす事が出来なかった』



 地に突き刺さっている瓦礫の悉くが、何の前振りもなく浮かびあがる。

取り巻いていた人々はその光景の意味を理解出来ずに眼前の光景を呆然と見つめていた。

その彼らが何か行動を起こすよりも早く、浮き上がった瓦礫は人の居ない方へ次々と撃ちだされて行く。

 そこで幾人かの機転が回る人々は気がついた。浮き上がった瓦礫の下には被災者が居たのだと。

その幾人が周囲に声をかけ、救助活動が再開されると同時にまだ大量に残る瓦礫の中から何かが歪む様な音が響き始めた。

 二次災害を警戒して周囲を見渡す人々は、瓦礫の山の中から突如撃ちだされた光の矢を目にする。

それが一体何だったのか。あまりに唐突な連続した超常現象を理解出来る者が居るはずも無かった。





 夜空に吹く風を追い越す速度で少年が飛んでいく。

その彼に、確かめる様に右手のセーリィが語りかけていた。

『幻獣に対する攻撃手段は大別して三形態有ります。銃撃と砲撃と斬撃。

 今の貴方に説明する必要は無いと思いますが……』

 少年は軽く頷いて返事をする。

セーリィを手にした瞬間から、彼女(?)が出来る事は聞かされずとも把握していた。

 力学的な物理干渉を基本として、其処から発展して幻獣の攻撃に耐えられる障壁の展開や飛行能力の発揮。

 攻撃方法はセーリィの単位時間力量の全てを注ぎ込んで抹消空間を展開出来る斬撃と、

常時弾幕を張り続けられる分時間当たりの火力がやや劣る銃撃や

高い単位時間力量を発揮出来るが周期的に一泊の休止が必要な砲撃。

 五感やそれ以外の感覚はセーリィと感応(シンクロ)する事で強化されていて、ともすれば世界が自分の物になった錯覚に捕らわれそうだ。

 自分が振るえる力の大きさ故に胸中に沸き上がる高揚感は、しかし直ぐに少年の脳裏を騒がせる感覚に諌められた。

振り向いた夜空の向こう、全身が灰色で彩られた幻獣が少年に向かってきている。

 少年が幻獣へと振り向いて右手のセーリィを握りなおす。

戦いが、始まろうとしていた。



 その外観を表すならば、趣味の悪いファンタジー系のゲームに出てくる敵、とでも言うべきか。

 空を飛ぶには小さい翼や、人型か獣型か分からない体躯や、無駄に鋭い指先の爪などは

それぐらいに現実離れしていると同時にあまりにも陳腐すぎる「恐怖」の形をしていた。

 その姿が近づいてくるにつれ、少年の体に緊張が広がり全身に蔓延する頃には指先が強張り

気がつけば意志に体が従わなくなっていた。

 当然と言えば当然か、つい十数分前までソレは恐怖し逃げる事しか許されない存在だったのだ。

どんどん近づいてくる『恐怖』に、抗いようの無い存在に、体が呼吸さえ忘れたかの様に硬い。

 そして目前にまで迫ったソレは鋭い爪を振り上げて──

『畏れる事は有りません!一刀の下に切り捨ててしまいなさい!』

身を庇うように振り上げたセーリィの抹消空間に巻き込まれ、塵芥の一片も残せずに消え失せた。

 恐る恐る、反射的に閉じていた目をゆっくりと開ける。

相当な遠方にこそ少年に気付いた幻獣達が彼を目指して飛んでいるが、

ついさっき眼前で爪を振り上げた幻獣の姿はいくら探しても見つからない。

 それが意味する事実を、セーリィから伝わってきた感覚によって理解する。



 なんだ、こんなものなのか。



 次の瞬間、セーリィへと意識を向けると彼女は返事すらなく全体を淡く光らせて、

一瞬でその身を剣から脇に抱え込む為の砲塔へと組み換えた。その砲塔をしっかりと抱え込む。



 そして放たれた夜空を切り裂く光条に、少年へと向かっていた幻獣達の悉くが飲み込まれ消え失せていった。



To be continued, 1stRIde.





日記更新時に即興で書いてるので目標とする区切りまでは

時間的にちょっと無理が有りそうな感じですなぅ。

バイト疲れもある事ですし、ここらで適当に区切って以降次回と言う事でー