久しぶりの光景

えらい久しぶりに大学に行ったら、研究室の窓から見える景色が激しく変わってました。
取り壊して広場にすると言うのは知ってましたが、実際にそれが終わるとえらい解放感が。



―― 3rdRide:War ――(2nd)



「……OLPG31-52774『セーリィ』の使用者だね」
口調は重く、そして真摯だった。
青年はゆっくりと左手を上げ、黒剣の切っ先を少年へ突きつける。
「君のやった事は、二桁近くの罪状を積み上げている。
 だが国防軍上層部は君に対し特赦を下すつもりだ。その条件は──」


続く言葉は、ある意味予想通りではあった。


「私の説得に応じ、OLPG31-52774『セーリィ』を手放す事だ。
 ……どうするかね?」
少年の返答は無い。その胸中で困惑と疑念がうねっているのを察し、セーリィが応える。
『……妙な話ですね。トレーインバッゼの国防軍は私たちの確保を諦めていた様ですが?』
「確かに。だからこそ私がこうしてやってきたのだ。これ以上、軍を疲弊させない為にも」
『その台詞もまた奇怪ですね。私たちが前線に立っていれば
 国防軍の消耗は軽微とも呼べない程に軽く抑えられているはずでしょう』
セーリィの反論に、青年が僅かに表情を崩した。
呆れに近い、だが表するならば落胆と呼ぶべき感情が垣間見得る。
「……この三週間、幻獣の襲撃は全てこのトレーインバッゼに集中している。
 過去の事例に此処まで幻獣が集中して表れた事例は無かった。
 その原因は、間違いなく『セーリィ』が解放された事と無関係ではないだろう。
 確かに、それだけの頻度の襲撃にも関わらずトレーインバッゼの被害は皆無だ。
 だが、世の中と言うのは人が助かればそれで良いという訳には行かないのだよ」
『……どう言う事です?』
「世界を救えるとしても、その為に国が滅ぼされる訳には行かないと言う事だ」


To be continued, 3rdRide.