寝過ぎた
気がつけば凄い勢いで寝続けてました。もしかしてまだ復調しきれてなかったかしら。
Web拍手〜
>裏切り者がっ! しかし私は気味! 薬なんぞ飲んd「はいはいワロスワロス」
はいはい安静安静。社会人なんですから体調管理してください。
さて、八割の人が忘れていたであろうアレの続きを。
―― 3rdRide:War ――
『一番大切なものとはいったい何なのだろうか。
人によって異なるのだから、またどうしたものだろう』
少年がセーリィの主となってから三週が経過した。
その間、幻獣の襲撃は十五回。
それまでは月に一度有るかと言うペースだったことを考えれば、今の頻度は明らかに異様だった。
だが、それだけの高頻度にも関わらずトレーインバッゼの住人に及んだ被害は却って目減りしている。
国防軍もその被害数の減少を由と半ば黙認しているのか、少年の探索は打ち切られた様に思えた。
事情はともあれ、少年に対する追跡が完全に途絶えている事は間違いない。
そして幻獣の襲撃はまた今日も。
幻獣との戦いに慣れてきた少年は、初日に「
重ねに重ねた経験の中で、初見でこそ強固な印象のあった黒竜にも弱点は有るのだと分かり
今は其処をヒット&アウェイで突き続けることで過剰に火力を振るう必要も無くなった。
『……手馴れてきたものですね』
セーリィの口調にも緊張は無い。
結局、初陣から今に至るまで危険らしい危険に見舞われていないので、当然と言えば当然かも知れないが。
戦局が終盤にさしかかり、幻獣の数も目に見えて少なくなってくる。
その油断しきった戦場に、『異変』は西からやってきた。
『これ、は――?』
二人の共有する感覚には、『情覚』と名づけた六つめの感覚がある。
幻獣からは黒く濁っていながらも単純な殺意を、トレーインバッゼの町並みからは明るく澄んだ希望を。
読心とまでは行かなくとも、漠然と相手の感情を直接に認識できる。
いま二人が感じたのは、極薄にまで砥がれた刃のような「戦意」と「敵意」。
その源を探る前に、少年の視界を文字通りに「衝撃」が駆け抜けた。
それが「何か」を悟る前に、残る幻獣たちが一層されていく。その速度、その火力、二人には一つだけ心当たりがある。
『……圧縮突撃仕様…………なのですか?』
問いかけに答えるように、「衝撃」が少年からそう遠くない所で停まる。
其処に浮かぶのは屈強な体躯とそれを包む深緑の軍服。その左手に――
青き宝玉を抱く、漆黒の剣。
もはや疑いようもなく、少年たちと対峙しているのはセーリィと同等・同質の力を振るう存在だった。
瞑目したまま直立の姿勢で浮かぶ黒き剣の主は、少年よりは間違いなく年上だが軍人としてはまだ若いと言える。
青年が目を開き少年を見据えた。
先ほどまで感じられた「敵意」は薄れていたが、鋭い刃の様な「戦意」は更に際立って少年を射抜く。
もはや、戦いを避けられそうな空気では無かった。
To be continued, 3rdRide.
そろそろ佳境……と言うほど厚みのある話でもございませんが、描きたい事に差しかかってきます。
もともとその日毎の即興で描いてたものですから、肩の力抜いて軽妙に続けて行きましょうかと。